文化服装学院で服飾デザインを学ぶ。卒業後ベルトメーカー株式会社ニューファミリーに就職。オリジナルブランド OFF the scale のデザイン、製作を担当。
HP : https://offthescale.studio/
Instagram : @offthescale_official
Student interview-02
Kaori Mizushima
水島 加央理
両国にあるベルトメーカー株式会社ニューファミリーで働きながらスクールの企業向けコースに通っている水島加央理さん。社内でオリジナルブランド OFF the scale を立ち上げてデザインや生産までご自身で行なっています。どのような経緯でブランドをはじめる事になったのでしょうか。
「最初はミシンが踏みたくて量産で入りました。社内でやりたい事について話し合う中で、自分でもデザインしたりブランドを作るという事に興味があったため、オリジナルブランドをはじめようという流れになりました。普段はベルトの生産の仕事をしているのですが、アパレル業はどうしても繁忙期と閑散期ができてしまうため何か閑散期に出来る事がないか模索していたんです。ベルトの生産の合間に自社でできるオリジナルの革小物を作れたらな、と。」
確かに自社生産のオリジナルブランドは会社にとって強みになります。自社製品であれば時間に余裕のある閑散期に生産する事ができるので合理的です。
「革小物に関しては全くの初心者だったので取引先の方に相談したところAtelierK.I.の教室を紹介していただきました。デザインした商品のサンプルを自分で作ってそれを生産出来るように相談にのっていただけたらと思いまして。」
通常、サンプルは弊社で製作してその商品の生産の仕方を教えて欲しいという依頼が多いのですが、今回は全て自分で作りたいという事でした。すごいですね!会社にとっても商品づくりの要であるサンプル製作の技術が社内に残るためメリットはとても大きいと思います。普段の一般の方に向けた教室では弊社が用意しているカリキュラムに沿って製作してもらうのですが、企業向けのコースでは個々のご要望に合わせて細かく対応させていただいています。今回のようなサンプルや生産の技術指導の他に、コンサルティングや新人研修等も行なっておりますのでご相談ください。
ミニマルなデザインが素敵な OFF the scale の革小物。ストイックでありながら、上品な雰囲気を感じます。OFF the scale とは”モノサシからはみ出した”と言う意味があるそうです。小さな個性を身につけたい方へ向けて“モノサシからはみ出した”企画外なプロダクトを展開しています。素材選びから商品デザイン、ホームページ製作や写真撮影等々、ブランドを始めるためにやらなければならない事はたくさんあります。ベルト生産の仕事をやりつつ手の空いた時にコツコツ進めていったそうです。
AtelierK.I.スクールでは水島さんがデザインした革小物を一から製作していきます。デザインしたものが実際に生産されるためにはどのように改善したら良いか、現場の目線から検討します。普段、メーカーのサンプルを製作しているサンプル職人に直接相談しながら進められるのはとても心強いですよね。
まず水島さんがデザインを考えてきてそれを教室で一緒に検討して修正し、それを元にパターンを起こしサンプルを製作していきます。
「デザインを重視すると実用性がなくなってしまったりして。逆に実用性を考えすぎると平凡になり過ぎてしまったり‥バランスを取るのが難しかったです。」
財布の場合、お札やカードのサイズが決まっているため規格から大きくずれると使いにくくなってしまいます。そのあたりのさじ加減が難しいところですね。
持ち帰って出来る作業は会社でやりつつ、わからない事を教室で確認しながらひとつひとつ確実に進めていきました。芯材の使い方や抜き型の製作等、生産に必要な細かい部分もしっかりと学んでいる姿が印象的でした。
ニューファミリーの社内にはミシンや革漉き機だけでなくベルト製作に必要な珍しい機械等もあり興味津々でした。広い作業場で職人さんが製作に励んでいます。水島さんも普段はここでベルトの製作をしています。
「最近お客さんから革小物のOEMをお願いされて、サンプルを作って生産しました。実際に実務に繋がるとやりがいもあるし仕事の幅が広がりますね。」
オリジナルブランドを始めて革小物の技術を身につけた事で、今までは無かった新しい仕事を獲得出来たのはとても嬉しかったと言う水島さん。頑張って教室に通った甲斐がありましたね!水島さんの努力の賜物だと思います。
この調子でさらに新作を増やして商品のラインナップを充実させていきたいそうです。いずれはホームページも自分でさわれるようになりたいと目標を語ってくれました。
今後の動向に目が離せませんね!更なる発展を楽しみにしています。
(2019/12/6 AtelierK.I.スタッフ一同)