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OEM製作のご紹介です。立川で長年続く地元老舗企業、質たからや様の店舗リニューアルに伴い、階段の手すりに革を巻く施工をやらせていただきました。以前ブログで紹介したFUGLEN ASAKUSAの革巻き螺旋階段を実際にご覧いただき、弊社にお声がけくださいました。

リニューアルのための工事が行われている中、店舗にお邪魔しての施工となりました。このようなインテリアのお仕事はたくさんの人の手に実際に触れるため責任も重大です。身が引き締まる思いで作業させていただきました。

手すりの革巻きは事前の準備がとても重要です。1枚の革を細長く裁断して貼り合わせ、長い長い革の帯を製作してきました。その革帯を糊を塗った鉄の手すりに2人がかりで巻いていきます。全長約10メートルの一発勝負。弛んでしまわないように弱すぎずかといって強すぎず、絶妙な力加減で進めていきます。準備万端で臨んだ甲斐あって、息のあったコンビネーションでテンポ良く作業できました。ブログの最後にメイキング映像がございますので是非ご覧になってみてください。

今回使用した革はARIZONA(アリゾナ)というイタリアンレザーです。ARIZONA(アリゾナ)は、北イタリアのサンタクローチェに工場を持つタンナーLA BREATAGHA(ブリターニャ社)で作られたイタリアを代表する最高級ハンドメイドレザーで、厳選された牛のショルダー(肩)部分のみを用いイタリアの伝統的なバッケタ製法によって鞣されています。柔らかく、革特有の凹凸が特徴で独特の重厚感とシボ感が味わえます。天然皮革特有の自然なシボとイタリアならではの色の深みは他にない魅力です。オイルがたっぷりと染み込ませてあるため、使用していくと美しい艶が出てきます。たくさんのお客様の手に触れて良い色に変化し、何年後かには全く違う表情を見せてくれるはずです。時と共に変わっていく時間の流れを感じられるのは革という素材の大きな特徴です。そんな革の良さを皆さまに感じていただけたら嬉しいです。

今回ポイントとなったのは、この手縫いのエンドパーツです。試作を重ね、しっかりと手すりをカバーしつつも自然な仕上がりになるように工夫しました。その場でぴったりのサイズになる様に革の長さを決め裁断して手縫いで仕上げています。細部にまで丁寧に手をかけて製作することで全体の雰囲気が引き締まり、美しさが際立ちます。

高級感のある店内に革の手すりが彩りを添えています。コンクリートの無機質な壁に有機的な革の手すり。まるで植物の蔦の様です。素材に革を使用する事でほんのりとした暖かみが手に伝わるのではないでしょうか。大切な思い出を手放しに来るお客様がふっと手を掛けたくなるような、そんな手すりになったと思います。お店とお客様の間でゆっくりと時を刻んでいってほしいと願います。

OEMのご案内

アトリエケーアイでは、革という素材を使い、手温もりを大切にし、手で出来ることの可能性を追求した仕事を皆さまにご提供しています。革小物やバッグはもちろん、その経験を活かしインテリアや家具等幅広く製作させていただいております。革でこんな事がしてみたい、こんなもの革で作れるの?などのご質問やご提案がございましたらお気軽にお問い合わせください。また、ホームページにてOEMの流れや過去の製作事例をご紹介しています。ぜひご覧ください。

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